DEVELOPMENT STORY

開発ストーリー

STORY1

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骨粗しょう症の患者さんに希望を
約30年にわたる試行錯誤

骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
日本には現在約1000万人以上の患者がいると言われていますが、高齢化に伴ってその数は年々増加傾向にあります。

旭化成では2011年に、ヒト副甲状腺ホルモン製剤で、骨形成促進作用により骨折抑制効果を発揮する骨粗しょう症治療剤を発売しました。

ヒト副甲状腺ホルモンは、血液中の濃度が“持続的に”高まると、骨量が減って骨がもろくなってしまいますが、“一時的に”高まると、反対に骨量が増えることが確認されています。
投与の間隔や量によって効果が異なる…、研究者たちはより適切な投与間隔と投与量を求め、日々研究を重ねました。

これまでの骨粗鬆症の治療薬のほとんどは、骨吸収(骨が削られる)を抑えて骨粗鬆症の進行を抑制するものでした。しかしこの薬は、骨形成(新しい骨が作られる)を促進することにより、骨密度を高め、折れにくい強い骨を作ります。

STORY2

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日本からエビデンスを発信する
世界初の遺伝子組み換え型
ヒトトロンボモジュリン製剤

血液は、血管の中を流れている時は固まらないように、血管が傷つき出血した時には固まって止血するように、絶妙にコントロールされています。このバランスが崩れると、血管の中で血液が固まったり、血管の外に出てきても血液が固まらなかったりすると、病的な状態となります。

DICは外傷や、がん、急性白血病、細菌による重度の感染症などの病気をきっかけとして、血液凝固のバランスが崩れ、全身の細い血管に血栓が生じたり、過度の出血症状が見られたりする重篤な合併症です。

旭化成では2008年に、DIC治療薬として世界初の遺伝子組み換え型ヒトトロンボモジュリン製剤を発売しました。トロンボモジュリンは、生体内の血液凝固調節を担う抗凝固因子です。

発売から数年をかけ、日常診療における使用実態、安全性・有効性を収集、確認し、薬剤の適正使用のための情報を提供することを目的に、使用成績調査を実施し、その結果をまとめました。全国のMRが、調査の意義や価値を医師に説明し、調査への協力を依頼したことにより、緊急を要するDIC治療現場でのほとんど漏れのない症例登録を可能にしました。

医療関係者の協力を得ながら時間をかけ積み上げたこの調査結果は、使用実態下での安全性、有効性についての大きなエビデンスになり、医師への情報提供や質疑応答に役立っています。